料理をぐんとおいしくする、素材が生きた油を作るには、
原料や搾油工程に納得がいくこと、作り手が見えることも大切だと考えています。
原材料を育てる農家のこだわりの「種」をおいしい油にして届けることは、おいしい食卓を増やしていくこと。
もし、かつての私のように料理にちょっと自信をなくしている人がいたら、お気に入りの油に出合えば、料理が楽しくなるかもしれない。
ablabo.の油がその役目を担えたら嬉しいです。
油も、食材も、素材の味が一番。毎日の食卓でそんな喜びを実感できる商品を届けていくことが、ablabo.の目標です。

「素材」− 正体がわかるものを使う

正体がわかるものを使う。
それが、私が作る油の原料の基準です。ごまは、トルコの金胡麻を信頼できる業者さんから仕入れ、それ以外のものはablabo.の工場から車で2時間以内で行ける農家の方に、契約栽培をお願いしています。
自分で油を作ろうと決めたとき、なかなか納得できる原料に出合えませんでした。しかし、ことあるごとに、「安心・安全な種」を探していることを周りに伝えていたら、真摯に農産物と向き合う何軒かの農家と出会うことができました。
命の素である種ができるまで、てまひまかけて農産物を育ててくれる方々からアドバイスもいただきながら、ablabo.の油は素 材そのものの味が生きた商品に仕上がっています。

「製造工程」− 油を搾る

ablabo.では原料によって、直圧型とスクリュー型、2つの搾油機を使用しています。
直圧型のものは、生搾りがメインで、種に上下から圧力をかけてプレスすることで油を搾り出します。
スクリュー型は、種を焙煎した後にすり潰すようにして摩擦熱も利用しながら油を搾ります。そのままでは種の殻などが混ざっているので、1週間から10日かけて不純物を沈ませ、クリアな上澄みを瓶詰めして商品になります。 いずれの搾油機を使っても、どんな種をしぼっても、搾れる油は搾油機に入れた種の重量の15%~30%ほど。薬品や添加物を使わずに、「油を搾る」ことにこだわっています。

  1. 1.焙煎

    油の出をよくしたり、風味をつけたりするために行います。
    種本来のおいしさを引き出すための焙煎温度は、種の種類や栽培地によって変わるので、細かな調整が必要になります。
    熱がかかること自体がダメージとなる種もあるので、そういった種は焙煎をせず生搾りします。

    photo:焙煎
  2. 2.搾油

    種の種類やサイズ、含水率によって油を搾る際の圧力は変わります。 なるべくたくさん油を搾り出しつつ、搾りすぎておいしくない部分まで出てこないよう細心の注意を払います。 直圧型の場合、1時間に搾れる種の量は2~3kgで、そこからできる油は1kgもありません。スクリュー型の場合は1時間で50kg程度の種を搾りますが、搾った油を濾過する作業に10日ほどかかります。

    photo:搾油 photo:搾油 photo:搾油
  3. 3.濾過

    濾過の目的は、小さなゴミや不純物を取り除くことです。
    濾過のフィルターの目を細かくするほど油はクリアーに仕上がるのですが、同時に風味も薄まります。
    油本来の香りやにごりを残すため、アブラボは最低限の濾過にとどめています。

    photo:濾過